現状においては、ソーラーカーを実用化することは不可能といわれている。もちろんきちんと走らないということではなく、いま使われているガソリンエンジン車と比べればまだまだ性能やコスト面で劣るということである。走るからといって一般道路をソーラーカーで走ってしまうと速度が遅すぎて交通の流れに乗れなかったり、モーターがストップして事故につながったりとたいへん危険である。まずはガソリンエンジン車レベルまで性能を向上させないと道路は走れないだろう。

それではソーラーカーを実用化に至らせるため、何が必要なのか。上述のとおり性能を向上させることが肝要だが、ソーラーカーそのものについて新しい技術が必要というわけではない。いま使われているソーラーカーの各パーツの性能がここに伸びれば十分だ。

このうちエネルギー調達を担う太陽電池の発展がもっとも重要な位置を占める。得られた電気を車の動力に移す電気自動車の部分の技術は、ハイブリッドカーが発売されているように実際に実用化されている。あとはエネルギーをどう調達するかなのである。こう考えるとソーラーカー発展のカギは、自動車技術ではなくエネルギー技術の進歩にありそうだ。

バッテリーにかんしては、急速充電効率の上昇、長寿命化などが求められる。天候などの条件による太陽電池の不安定さを解決する最大の近道は、貯められるときに貯めておくということだ。太陽電池そのものの技術革新を支援するためにも、バッテリー開発は重要である。さらに、将来の商用化を見込んでバッテリーの長寿命化なども必要だ。

もちろん電気自動車の技術も発展が望める。たとえば本体の軽量化ができれば必要なエネルギーもその分減少する。また空力性能や電気系統に関しても発展させていかなければならない。

そして、ソーラーカーは速度が出ないといわれている。ソーラーカーレースに出るような車は出ないこともないが、加速までに少々時間がかかるようだ。また車体価格が高くなってしまったり、車が小さすぎてしまったりといった点から、商用化させるにはまだ早い。

何より問題だと思われるのが乗車環境である。ソーラーカーでは普通に座るというよりも寝る姿勢に近い。これがかなりキツイ姿勢らしく、2、3時間もすると限界だそうだ。かといって状態を起こして座る姿勢にしてしまうと空力などの観点から性能が落ちてしまう。近年乗車環境を快適にするためにさまざまな車種で工夫がなされているが、そうした傾向に逆行してしまうことになるだろう。そ

したがって車体の開発も急がれる。上記のような空力性能という点はもちろん、太陽電池をいかに敷き詰めるかも研究の対象となる。エネルギーを効率よく利用するために空気抵抗を低減することや、車体重量の軽量化といった技術的な側面も大切である一方、乗車人員数の確保も進めていかなくてはならない。